大学に入ったばかりの頃はやりたいことがたくさんあった。
高校で映画の面白さに目覚め、本気で映画監督になれたらいいなーと思って、
映像製作も学べる大学に入り、
当時は新しかったノンリニア編集(PCでの映像編集)にのめり込んだ。
4年生になった頃にはスカパーで番組制作するサークルを立ち上げたりもした。
その経験を通して「ソフトを生み出す」スキル不足を感じるようになり、
そこを補うために、コミュニケーションの原点である、
「言葉の世界」を学びたいと思うようになる。

着の身着のままに東京に出てきた僕は、運良くR25の編集部に出会い、
4年ほど編集デスクとして、モバイルサイトの運営に携わらせてもらった。
恵まれた環境の中、多くのことを学ばせてもらったし、
やりたいことを思いっきりやらせてもらった。
今考えるとめちゃめちゃラッキーだったと思う。

ただ、ひとつの大きな転機が訪れる。

当然のことながら、売り上げのたたないビジネスはつぶれる。
僕が4年間情熱を捧げたR25式モバイルは、あっさりとその幕を閉じた。
100万人近くもいたお客さんに惜しまれながら。。

僕は、初めて、仕事で泣いた。

そのとき明確に感じたわけではないけど、
「やりたいこと 」だけで突っ走ってきすぎてたと今は思う。
「編集デスク」という責任あるポジションを任されていたのに、
そのことにあぐらをかき、やりたいようにしかやってこなかった。

僕より優秀な人はたくさんいたし、
僕がしっかりしてたところで、結果同じだったかもしれないけど、
それでももうちょっとしっかりしていれば…と悔やむ日も未だにある。

そしていま。
「やりたいこと」ではなくて「やるべきこと」を大事に思うようになった。

やるべきことをきっちりやるからこそ、次のやるべき役割がやってくる。 
やるべきことを無視してやりたいことなんてできるはずもない。
大きなものを失って初めて、そのことに気づかされたのが僕の20代だった。

モチベーションが高く保てない、とか
やりたいことがやりたいようにできない、とか
やりたいことが見つからない、とか
もし、そういう風に思う後輩がいれば、
「そんなことより目の前のことをきっちり全力でやりなさい」って言ってあげたい。 
それがそのときの僕の「やるべきこと」だと思っている。 
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