広告批評を創刊された天野祐吉さんが亡くなった。

僕と天野さんとの接点は3回。
大学のとき読みふけった広告批評が1回め。
東大で開催された、広告業界のクリエイターたちと天野さんの対談、
「クリエイターズトーク」が2回め。
その対談をまとめた本の出版記念として、1年前にB&Bで開かれた、
ケトル嶋さんとの対談が3回め。

僕はその3回めで、初めて天野さんと会話を交わした。
購入した本にサインをしてもらうために、イベント後に話しかけたが、
緊張のあまり何を喋ったのか覚えていない。。
ただ、すごく物腰が柔らかく紳士な方だった印象が残っている。

嶋さんとの対談の中で、印象に残ったのは、
「広告とは商品のジャーナリズムである」という言葉。

フォルクスワーゲンビートルの「Think small」を例に、
広告は商品を批評するジャーナリズムであり、
そういう観点で作られるものであるべきである、とおっしゃっていた。

新聞広告「Think small」は、一面に小さなフォルクスワーゲンのグラフィックと、
その下に「Think small」と添えられただけのシンプルな広告。


Volkswagen Beetle「Think Small」

フォードなどの自動車メーカーがこぞってが大型化を推し進めていた時代、
大きいことはいいことなのか?という疑問を投げかけた広告であり、
商品のジャーナリズムとはかくあるべきだと。
そして、商品を批評するものを批評する存在として「広告批評」を創刊した、とおっしゃっていた。

当時はまだおぼろげな理解だったけれど、
いまその言葉はすごく腑に落ちる。

すごく広告を愛してることがわかる対談だった。
晩年、天野さんはWEBに期待をしていたのも印象的だったなあ。

心よりご冥福をお祈りします。