ドラマ「カルテット」が面白い。



ある日、“偶然”出会った男女4人。
夢が叶わないまま、人生のピークにたどり着くことなく緩やかな下り坂の前で立ち止まっている者たちだ。そんな4人がカルテットを組み、軽井沢で共同生活を送ることになる。しかし、その“偶然”には、大きな秘密が隠されていた……。


サスペンスや恋愛の飾り付けはありながらも、一番の魅力は山田太一に通ずる「会話劇」。会話だけで画面をあそこまで持たせるのがすごいと毎回思う。

2話でこういうくだりがある。

言葉と気持ちは違うの。「こんなのデートじゃないんだからね。」って言うのはデートでしょ?

「絶対怒らないからホントのこと言って。」って言われて本当のこと言ったらメッチャ怒られるでしょ?それが、行間。

「連絡しますね。」っていうのは、「連絡しないでね。」って意味でしょ。


このドラマを象徴するセリフだな、と思った。このドラマはまさに「行間を読む」ことが裏テーマにあるような気がする。

テレビがファーストスクリーンではなくなり、スマホを見ながら見られることも多くなった今の時代、「ながら見」に対応するために、ドラマもわかりやすくわかりやすく描かれることが多くなった。

ネットもテレビも雑誌も「すぐ手に入る答え」をわかりやすく噛み砕かないと、なかなか届かないようになっている。

そういうインスタントに答えが手に入ることの、アンチテーゼというか、逆を行くことが必要なのではないかなあ、とぼんやり思っていた矢先でこのドラマと出会えたので、すっかりハマってしまっている。

製作者のインタビューにもこうあった。

佐野は「わからないことを楽しめるか、どうかだと思うんです。でも、楽しめる人はそんなにマスではないことはひしひしと感じています」と語る。

出典:BuzzFeed


なんかすごく「今っぽい」ドラマなんだよなあ。

最新話である4話にも、それを象徴する好きなシーンがある。それは高橋一生演じる「家森さん」が元妻との結婚生活を振り返ってこう漏らすシーン。

結婚ってこの世の地獄ですよ。妻ってピラニアです。婚姻届は呪いを叶えるデスノートです


そのあとなんやかんやあって、その元妻に家森さんがこう言ってましたよと、カルテットメンバーが告げるところが、まさに「行間」。

いつも、茶馬子(元妻)さんの話されてます。人生で、あんな愛した人はいないって。結婚て、天国だ。妻ってノドグロだ。婚姻届は夢を叶えるドラゴンボールだって。


そこで隠れていた家森さんがそのとおりだと認める。やり直そうと元妻に語りかけるのだ。このシーン、きっと「ながら見」でなんとなく見ていたら多分理解できない。

これまでなんやかんやありながら、家森さんの性格がわかってきた彼らだからこそ、地獄だ、ピラニアだ、デスノートだ、というのは嘘で、天国でノドグロでドラゴンボールであるってことが本心だと確信できたんだろうと。

セリフをそのまま受け止めず、その裏にある気持ちを、行間を読めるか。そういうところが久しぶりに「大人だわあ」と感じるドラマなのである。

エンディングもクソかっこいい。



大人だわあ。